HAPPY PLANNINGまちをつくるしごと
高齢者福祉施設 紫野
紫野マルシェ ~施設の玄関は、まちとの交差点~
施設の前に広がる、地域とのあたらしい接点
京都市北区にある高齢者福祉施設「紫野」では、2023年から毎月第3土曜日の午後に「紫野マルシェ」を開催しています。2020年に入る新型コロナウイルスの流行をきっかけに、全国の福祉施設は、地域との交流をストップすることとなりました。紫野も、その一つでした。
特別養護老人ホームの入居者やデイサービスの利用者が、地域と再びつながる機会をつくっていきたい。そんな思いで、コロナの落ち着いてきた2023年にはじめたのが、紫野マルシェです。
会場は、施設の正面玄関前ロータリー。地域の駄菓子屋さんやアクセサリー店が出店するほか、近くの就労支援事業所のお菓子やパンを、ご近所の住民が手づくりの商品を販売したりもしてくれます。
施設の入居者・利用者もマルシェを訪れ、自然と地域のみなさんとのコミュニケーションが生まれます。周辺地域の人が気軽に出店することも、訪れることもできる、地域の交流・チャレンジの機会になっていて、住民同士の交流の機会になっているようです。出店者が出店者を紹介してくださって、つながりもどんどんと広がってきました。
地域にひらくことで、笑顔と安心がひろがる
紫野マルシェは利用者にとって、「買い物」という暮らしの一部を、自分で行うことのできる機会にもなります。お店で、自分の目で見て欲しいものを買うという機会も、ご本人の笑顔や意欲を引き出すことにつながっています。
マルシェをはじめたことで、「ここに施設があったんですね」と私たちの存在を知ってくださる方も増えました。紫野には地域包括支援センターもあり、相談のきっかけとなるような、つながりも広がっています。
職員にとっても、ケアの現場を超えて、まちと交わる手触りを感じられる貴重な機会となっています。施設内での介護・ケアを超えて、「地域とともある福祉」「地域のなかでの暮らし」をより大切にするきっかけにもなっているようです。
2024年には、京都市での健康寿命の延伸に貢献する活動を応援する「健康長寿のまち・京都いきいきアワード」の大賞の一つにも選ばれました。地域FMラジオ「RADIO MIX」でも、2024年11月26日に取り組みが紹介されています。
https://radiomix.kyoto/episodes/episodes-52480/
紫野マルシェは、これからも毎月第3土曜日につづいていきます。ぜひふらっと遊びにきてくださいね。