HAPPY PLANNINGまちをつくるしごと
地域共生社会推進センター
大学生が活躍する西野山団地 ~なんとかしたいを諦めないコミュニティカフェ~
団地の一室を居場所に
京都市山科区・西野山団地の一角。築50年以上の市営住宅の1階から、コーヒーの香りと軽やかな音楽が漂います。ここは、「コミュニティカフェ107」。2024年6月にオープンした、団地の空き住戸を活用した、地域の新しい居場所です。フリースペースになっている、隣室106号室とともに、子どもからお年寄りまでがふらっと立ち寄る場所となっています。
この場を支えているのは、大学生たちの存在です。リノベーションの設計を担当したのは、京都女子大学の大学生。日常運営のスタッフも、協会職員がサポートしながら、大学生がイニシアティブをとっています。
カフェに飾られている写真やお花の多くは、訪れた住民さんの持ち寄り。手づくりのコースターをもってきてくださった方もいますフリースペースの「まちライブラリー」には、住民が選んだ「読んでほしい本」が並びます。ビーズの作品などを飾り、ちいさなギャラリーのように楽しんでいる方もいます。サービス提供者と利用者という枠を越えた、人と人がゆるやかにつながる雰囲気が自然と生まれています。地域の小学生・中学生もやってきて、宿題をしたり、遊んだり。
団地に生まれた2部屋は、「一緒に」が生まれる場所になっています。
なんとかしたいをみんなでやってみる
地域にあるさまざまな課題。それらを解決することは簡単ではありません。けれど、「なんとかしたい」と思う人たちで気持ちを共有し、一緒に取り組むことならできる。そんな思いからはじまり、多様な機関や人々が、まざり、はたらき、住まっているのが、このプロジェクトです。
西野山団地には現在、約450世帯が暮らしています。入居率70%と空き住戸も多く、高齢化率も68.8%。高齢になってから移り住む方も多く、地域とのつながりを持たないまま、孤立してしまうケースも少なくありません。
私たちはまず、住民の声に耳を傾けることから始めました。最初に開催したのは、「焼き芋タウンミーティング」。焼き芋をしながら、おしゃべりする時間です。そこから派生して、住民自身や地域関係機関も一緒に企画・参加する「たこ焼きタウンミーティング」が恒例となりました。そんななかで聞こえてきた、住民からは買い物の不便さや、引っ越してきてつながりがないといった声から、プロジェクトは展開してきています。
生まれたのはコミュニティカフェだけではありません。移動販売車の誘致、ランチ会、刺し子の活動、だがし屋企画など、地域の人の声から活動は生まれてきます。
「なんとかしたい」という思いを共有して、大学生、地域住民、法人職員などが、それぞれの立場で「できること」を持ち寄って、取り組んでみる。そんなチャレンジを地域共生社会推進センターでは、続けていきます。
コミュニティカフェは、毎週火~木曜日にオープンしています。いつでもコーヒーを飲みに、遊びにきてくださいね!