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エピソードと音楽の織り成す世界に1500人のヘルパーたちが酔いしれた
当協会の全ヘルパーが集う恒例(毎年5月)の全体ヘルパー会議では、新しい試みとして、ピアノとヴァイオリンのデュオコンサートを開催しました。
あらかじめ、ヘルパーから業務にまつわる利用者さんとの思い出の曲等をエピソードと共にリクエストしてもらい、演奏者がそのエピソードを語りながら、そのヘルパーの思い思いを音楽にのせて演奏してもらうというものです。
ヴァイオリニスト田久保友妃(たくぼゆうき)さんが、ヘルパーに代わる語り部となり、そのエピソードにある生きる喜びや辛さ、切なさ、そして感謝、また悲しい別れなどを情感たっぷりに語り始めると、ピアニスト牲川旬哉(にえかわしゅんや)さんが、その曲の旋律を静かに奏でます。そこに語り終えた田久保さんのヴァイオリンが加わり、多くの聴衆(ヘルパー)は、それらエピソードの内容に共感しながら、二人の織り成す豊穣な音楽の世界に引き込まれていきます。感動の余りに涙する者、静かに眼を閉じ聴き入る者、懐かしのメロディーを口ずさむ者、会場はヘルパーたちのあふれる想いで満たされて、何か浄化されたような世界が一瞬、出現したかのようでした。
「演奏者と聴衆(ヘルパー)が対話する演奏会」とでもいえばよいのでしょうか。主役はお二人の演奏者であると同時に一人ひとりのヘルパーたちでもあるのです。今までにない新しい形の演奏会の誕生です。会場を後にする多くのヘルパーたちの表情には、風薫る季節のやすらぎに満ちた笑顔がありました。
それにしても、語られた多くのエピソードを聴いていると、ヘルパーという職業の奥の深さ、それはサービス提供をするだけでなく、利用者さんと交流し、多くを学ばせてもらい、そ れらを人生の糧とすることが出来る職業だということを、改めて思い知らされました。
演奏された曲名のいくつかは次のとおりです。高校三年生、学生時代、ロビンソン、潮来傘、ショパンのノクターン、千の風にのって、レットイットビー、愛の賛歌、タイスの瞑想曲他。
後日、田久保さんから、素敵なメッセージを届けていただきましたので、その一部をご紹介させていただきます。
京都福祉サービス協会の皆様へ
「この度はヘルパー会議のリクエストコンサートにて大変お世話になりました。全てが感激・感動の3日間でした。色々な形で演奏に回っていますが、これほど企画者様とリスナーさんとが真心から耳を傾けてくださっていると感じられる演奏会はそうそうありません。どんなに優れた演奏家でも、これほど心に響く演奏会は一生のうちに一度も経験できないということもあるのではと思い、この度のご縁に奇跡を感じ、感謝をしております。またいずれお目にかかれますようお祈りしております。」 田久保友妃
(取材:高野事務所所長 藤本 敏朗)