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~生まれた家に帰りたい~

2018/12/10 スマイルBlog

「結婚するまで暮らしていた、鞍馬の生家へ帰りたい。」というご入居者の思いと、「帰らせてあげたい。」という娘様の思いを受け、特養ご入居のO様(89歳)の一時帰宅支援を行いました。

O様は、平成29年11月に紫野特養に入居されました。少しずつ施設での生活に慣れてこられた今年の初め、娘様から「母を生家へ連れて帰ってあげたい。」との思いを聞かせていただき、出来るだけ気候の良い時期に実現したいと計画を立てました。

計画を立てる中で、娘様から昔話や思い出話を多くお伺いすることが出来ました。生家の近くに、同じ名前の同級生がおられ、O様がご主人と結婚され生家を出られるまで「鞍馬の火祭り」において、その同級生が太鼓、O様が鈴を担当し、名コンビでお祭りを盛り上げておられたというエピソードもお伺いすることができました。今でもその同級生は鞍馬寺の本堂までの階段を歩いて登られているそうです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

10月5日(金)は天候に恵まれ、施設から娘様と一緒に乗った介護タクシーの乗りごこちも良く、生家までのドライブ中O様はあまりしゃべられませんでしたが、鞍馬街道沿いの景色を興味深くなつかしそうに眺めておられました。

生家に着くと、弟さん、姪御さん、甥御さんの三人が出迎えて下さり、弟さんが優しい笑顔で「ここわかるか?」と顔を近づけて大きな声で話しかけられました。子供の時から仲が良く、大人になっても、お正月やお盆には親戚一同が生家に集まっておられたそうです。

そんな弟さんの優しさが通じたのか、普段口にされたことのない「えらそうにぃ。」と一言。そのタイミングが何とも言えず、照れくさそうな弟さん、その周りにおられた娘さん、姪御さん、甥御さんの5人が笑顔とともにやわらかい空気に包まれました。いつまでたっても姉と弟の関係って変わらないものだなぁと、感じた一場面でした。

施設では食事後も傾眠されることがよく有りますが、今回の午後1時から3時の外出中一度も眠られることなく、また生家では娘様が買ってこられたフルーツケーキとジュースを全部召し上がられました。

今回は事前連絡なしであったため同級生は外出しておられ、残念ながらお会いすることはできませんでしたが、次回は事前に調整して、是非お会いしていただきたいと思う中、後ろ髪を引かれながら生家を後にしました。