事業所ニュース
カフェの風景 ~ふたつの祖国への思いを聴く
2018/05/07
スマイルBlog
事務所では、平成26年11月より、ご利用者のお宅をお借りして、認知症の人やその家族、地域の人たちが気軽に集まり憩える居場所として「いきいきカフェ」を開催しています。スタッフはヘルパーが中心で、介護が必要な方のケアも行っています。
92歳のYさんは、終戦後間もない日本でアメリカ人と結婚、それ以後アメリカで暮らし6人の子どもを育てられました。高齢になりアメリカの老人ホームで過ごされましたが、馴染めず、息子さんがいる日本(京都)に来られました。現在は、息子さんの家の近くの有料老人ホームに住んでおられます。
今は、短期記憶がおぼつかなくなり不安な時間が増えて寂しさが募ります。日本に居たら居たで、息子や娘たちがいるアメリカが懐かしくなり、アメリカに行きたくなるのです。それでも、誰かとお話するのは大好きで、カフェには毎回息子さんと来られます。息子さんとは英語で会話。ヘルパーは日本語でアメリカでの暮らしや子育てしてきたことをじっくり聴いていきます。生活は楽ではなく、自家用車にはラジオがついてなかったので、夫が何か唄えというエピソード。その歌は「シナの夜」。カフェのヴァイオリンコンサートで演奏してもらい、Yさんが笑顔で歌ってくれました。