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みどりごの掴まんとする春の風
高野事務所のご利用者Mさんの俳句が、今回は京都新聞俳壇で見事に入選作として採用されました。おめでとうございます!
みどりごの掴まんとする春の風
声を出して読み終えたときに、春の息吹と命への讃歌が見事に表現された何と爽やかな俳句だろうと感じ入りました。Mさんの感性には恐れ入ります。
春のうららかな光が差すいつもの散歩道を歩いていた時に、お母さんに抱かれた赤ちゃんに出会われたのでしょう。視線を赤ちゃんに向けると、愛らしいほほ笑みで応えてくれました。邪気のない赤ちゃんのほほ笑みは、誰にとっても「幸せの極み」を感じさせてくれるものです。その時に、春を告げる風がそこはかとなく吹いてきて、たった一つのかけがえのない命の誕生を祝福してくれました。その瞬間に、みどりごの白い小さな手がお母さんの胸から離れてぱっと開きました。きっと祝福してくれた春の風に触れてみたくて、そして「ありがとう」と言いたかったに違いありません。
この俳句から強烈に連想した絵本があります。デブラ・フレイジャー作の「あなたがうまれたひ」です。(訳は作家の井上荒野)太陽も月も地球も地球にいる仲間も、あなたの誕生をずっとずっと心待ちにしていて「うまれてきてよかった」と祝福を送っていますよというメッセージが絵本のなかで描かれています。興味がある方はぜひ一度ご覧ください。京都市図書館で借りることもできます。小さいお子さんがおられるなら、是非とも読んであげていただきたい絵本です。
Mさん、今回も心温まる作品をありがとうございました。忘れ得ない一句になりました。
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